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ブロックとアプリで身の回りが便利で楽しくなる「MESH」とは?プログラミング教育の教材に!

プログラミング教育は年々盛り上がり、手軽に取り組めるものや、複雑な動きまで作り込めるものなど多くの教材が出てきています。今回は、ボタンやセンサーがついたブロックと、アプリを連動させて、身の回りを便利で楽しくできる「MESH」をご紹介します。

MESHってなに?

MESHは、「さまざまなアイディアを形にできるツール」です。教育に限らず、身の回りの「あったらいいな」という思いを形にできます。

MESHブロックには、ボタンやセンサーが付いていて、ボタンを押したり、明るさや温度、湿度、ブロック自体の動きを感知したりすることができますMESHアプリは、スマートフォン、タブレットなどで使うことができ、視覚的にプログラムをつくることができます。端末のカメラ、マイク、スピーカーと連動したり、GmailやLINEなどインターネットサービスとつないだりすることもできます。

今回は実際にお借りしたMESHのキットを使ってプランプラン編集部でおもちゃをつくってみました!

MESHブロックは7種類!その機能とは


まずはMESHブロックについて詳しくご紹介します。どのブロックも、色がついている部分が電源ボタンになっており、長押しでブロック自体をオン/オフすることができます。7つのブロックはそれぞれ違う機能がついています。

1.ボタンブロック
1つ目はボタンブロックです。黒いボタンが一つあるブロックで、スイッチなどに使えます。プログラミングのなかでは、「1回押す」「2回押す」「長押しする」の3種類を使うことができます。

2.LEDブロック
2つ目はLEDブロックです。LEDライトが付いており、色を変えて光らせることができます。光り方も「点灯する」「ふわっと光る」「点滅する」の3種類を選ぶことができます。
一つ目のボタンブロックと組み合わせると「ボタンを押したらLEDブロックが光る」というプログラムをつくることができます。

3.動きブロック
動きブロックは、ブロックの動きや向き、振動などを感知するセンサーになっています。「振られたら」「ひっくり返されたら」「振動を感知したら」「向きがかわったら」などいろいろなパターンを設定することができます。

4.人感ブロック
人感ブロックは、赤外線センサーで人を感知することができます。「感知したら」「感知しなくなったら」「状態を確認する」を選択することができます。センサーで「周囲と温度が異なる動く物体」を感知しているため、犬や鳥などの恒温動物にはセンサーが反応し、爬虫類などの変温動物には反応しません。

5.明るさブロック
明るさブロックは名前の通り明るさを感知することができます。また、明るさセンサーのすぐ前にものがあるかどうかを感知することができます。「暗くなったら」「明るくなったら」「明るさが変わったら」「ふさがれたら」「ふさぐものが無くなったら」「明るさを確認する」「ふさがれているか確認する」「ふさがれていないか確認する」のパターンがあり、いろいろなケースで使うことができます。

6.温度・湿度ブロック
温度・湿度ブロックは、温度や湿度を感知します。温度・湿度をチェックするだけでなく、変化も感知できるので、熱中症や乾燥のアラートなどに活用することができます。学校であれば、子どもたちの学習環境の一部である教室の温度・湿度を記録することなどに活用できそうです。

7.GPIOブロック
GPIOブロック(ジーピーアイオーブロック)は、モーターや他のセンサーなどをつなぐブロックです。コネクタ部分にさまざまな電子部品を接続することで、MESHの可能性をさらに広げてくれるブロックです。今回お借りしたキットの中には、モーターやジャンパワイヤーが含まれており、身の回りのものをつなげることができます。

以上7種類のブロックをアプリと組み合わせてプログラミングを行っていきます。

MESHアプリでできること〜プログラミングをしてみよう!

MESHアプリはタブレットやスマートフォンにインストールすることができます。今回はiPadを使用しました。

アプリを起動すると、ブロックの電源の入れ方や、iPadとのペアリングの仕方などがチュートリアルで表示されます。

ブロックの電源を入れて端末に近づけるだけでブロックとのペアリングができるので、早速プログラミングにとりかかることができます。これなら初めて使う子どもたちでも操作することができそうです

実践①:ボタンを押したらライトが光る

ボタンブロックとLEDブロックを使って、「ボタンを押したらライトが光る」のプログラムを作ってみます。

 

まずは、アプリ画面の右側から今回使う「ボタンブロック」と「LEDブロック」のアイコンを引っ張り出します。

 

このまま画面上で「ボタン」と「LED」をつなげます。

 

たったこれだけの操作で、「ボタンを押すと、LEDライトが光る」という仕組みを作ることができるのです!

 

ライトの光り方も、アプリ上で変更することができます。

 

点灯する色や時間、点滅・ふわっと光るなどのライトのつき方も選べます。LEDブロックをいくつも引き出してつなげれば、連続でいろいろな色に光るようにすることもできます。

 

また、アプリ上で「ロジック」を使うこともできます。ロジックの「スイッチブロック」には、「順番に切替える」「ランダムに切替える」「選んで切替える」の3種類があります。
ボタンとLEDの間に「ランダムに切替えるスイッチ」をはさみ、複数のLEDブロックをつないでみました。

 

これで、ボタンを押すとランダムに1色のライトが光るようになりました。

ブロックだけでは味気ないので、紙コップのなかにLEDブロックを仕込んでおばけのようにしてみました。

ボタンで今日の運勢を占える「おみくじおばけ」の完成です。

実践②:振ったら音が鳴る

続いて動きブロックを使ってプログラムを作ってみます。

動きブロックには「振動を感知したら」や、「振られたら」を選択することができます。今回は「振られたら」を選び、感度は20〜100に設定しました。
アプリにすでに入っているサウンド「振り回す音」を選び、ブロックが振られると振り回す音が鳴るようにしました。

そして、動きブロックを紙と紙コップで作った剣の中に入れると、「音のなる剣」の完成です!

 

このように、ブロックとアプリを使って面白い仕組みを形にしていくことが可能です

GPIOブロックを使えばゲームもつくれちゃう!

GPIOは、他のブロックに比べてかなり拡張的な使い方をすることができます。
今回は、お借りしたキットについていたケーブルと、市販のクリップ、紙コップなどを使って、「ビリビリ迷路」を作ってみました。
回路に電気が通ると音が鳴るようにプログラムして、クリップをスタートからゴールまで通すゲームです。

 

画像にあるとおり、クリップを伸ばした棒からGPIOブロックまで電気が通るようにワイヤーでつないでいます。GPIOブロックのもう一本のケーブルはスタート地点のクリップをはさんでいるので、棒がコースのワイヤーにぶつかると、全体で電気が通り、音が鳴るようになっています。

自由に仕組みを作る楽しさをMESHで実感!

今回は、MESHをご紹介しました。実物のブロックと、タブレットをつなぐことで、おもしろい仕組みをすぐに目の前で形にすることができることがわかりました。画面上の動きだけでなく、実際に音が出たりライトがついたりするので、身の回りのいろいろな物も、プログラムで動いているということを感じられやすくなっています。
今回つくったおもちゃで実際に小学校2年生に遊んでもらったところ、特に説明をしなくても、MESHアプリの画面とブロックを見て、どんどんプログラムを書き換えて自分の好みに組み替えていました。調整しては試し、調整しては試し、と好きなだけ試行錯誤できるので、子どもたちの思考が深まりそうです。

MESHを使えばほかにも、子どもたちの自由な発想を形にすることができます。活用アイディアは、MESHのホームページYoutubeチャンネルで紹介されていますので、ぜひご覧ください。

参考:「MESHをはじめよう」著:萩原 丈博、小林 茂