【導入事例】プランプランのポートフォリオを活用した学級通信の改革:上穂波小学校編
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福岡県飯塚市のICT教育推進モデル校である飯塚市立上穂波小学校で、3年間の研究指定最終年度の研究発表会が行われました。
同校では今年度、「個別最適・協働的な学びを実現する授業改善・業務効率化の在り方—目的や意図に応じた教育DXを通して—」という主題で研究が進められ、子どもたちの学びの面でも、先生方の業務の面でもICTツールが活用されていました。先生方の学級通信に関わる業務効率化のため、今後は本格的にプランプランを導入される予定です。上穂波小学校の研究発表会の様子をご紹介します。

公開授業では—先生も子どもも効率的にタブレットPCを活用

▲ロイロノートで作成された教材が紹介されていた

 

研究発表会当日は3つの学級で公開授業が行われました。

1年生国語科「のりもののことをしらべよう(教材文「いろいろなふね」)」

1年生の授業は、国語科の「のりもののことをしらべよう」の単元(教材文「いろいろなふね」)で行われました。
教室の棚の上には、乗り物に関する本がたくさん並べてあり、壁には模造紙に書かれた教材文が掲示されていました。そして、子どもたちの机には、教科書とタブレットが置かれています。
子どもたちが考えを整理する場面では、ロイロノートが活用されていました。
先生がロイロノートを活用してカードを配り、子どもたちは自分でカードの色を変えていくことで一文ごとの意味を整理していきました。
ノートに手書きしたものでは、色を変えるのは簡単ではありませんが、タブレット上では簡単に色を変えることができ、視覚的にわかりやすく情報を整理することができていました。

3年生理科「ものの重さをくらべよう」

3年生の授業では、理科の学習でGoogleスプレッドシートが活用されていました。「物の重さをくらべよう」という学習の中で、粘土やみかんの形を変えながら重さをはかり、ものは形が変わると重さが変わるのかを調べていきます。
調べた結果は一人ひとりがスプレッドシートに記入していきます。その結果を報告する際は、子どもたちの画面をワイヤレスHDMI送受信機を使って電子黒板に映し出すようにしていました。
粘土やみかん以外の選択肢を増やしてもう一度実験をする場面がありましたが、それぞれが自分のやりたいものを選んで、自分で記録していました。

5年生国語科「反対の立場を考えて意見文を書こう」

5年生は国語科の「反対の立場を考えて意見文を書こう」の学習が行われました。
ロイロノートとGoogleドキュメントをどちらも活用しながら授業が進められます。ロイロノートでは意見文の構成図、ドキュメントでは意見文の本文を作成していました。
班ごとにテーマを決めており、班のメンバーとともに文章を練り上げていきます。Googleドキュメントで共有しながら提案機能やコメント機能を活用し、誰がどこを書き換えたかすぐに分かるようになっています。また、先生からの助言もコメントとして入力されており、グループワークをしながらどんどん文章が磨かれていきます。
紙に書いて、消して、書いて、消して……という作業は骨が折れる作業ですが、タブレットを活用することで、子どもたち同士でどんどん推敲が進んでいき、説得力を高めていくことができていました。

どの授業でも、子どもたちも先生も授業中にタブレットを駆使していましたが、タブレットなどのICTツールを活用することが目的なのではなく、子どもたちの学びを深めることが目的です。研究テーマの副題である「目的や意図に応じた教育DXを通して」という点が授業実践から感じられました。

業務効率化の現状

校内の業務では、学校内の業務の「ムリ(過労働)・ムダ(非効率)・ムラ(不適正なばらつき)」をなくしていくことを目的として、学校内で有効だと思われるものを選択してデジタル化が進められていました。
具体的には、zoomでの学習参観や、vimeoを活用した学校行事のオンデマンド配信、さらにmeetを活用してオンライン家庭訪問まで行われていました。
さらに、学校の様子はSNSでも発信されています。

また、職員間の情報共有のために、職員室に設置したモニターで周知事項を表示したり、デジタル素材・教材の共有も積極的に行われています。

その一方で、朝の欠席連絡等については、従来どおり電話連絡で行っています。その理由として「児童数や欠席理由等の実情を勘案して、電話による直接連絡のほうが適当であり、また、現在学校側は十分対応できている」ということが挙げられていました。ここでも研究テーマの副題である「目的や意図に応じた教育DXを通して」という点が徹底されていました。

学級通信の負担軽減へプランプランを活用

同校がこれから取り組もうとされているのが、プランプランを活用した学級通信です。
学級通信作成の効率化と、保護者との情報共有のため、プランプランのポートフォリオ機能、連絡帳機能、学習計画機能を活用することが予定されています。
学習計画機能では、毎週の時間割や学習する単元名を入力し、子どもたちや保護者の方々と共有することができます。教科ごとの時間数を集計することもできるので、先生方が活用するいわゆる「週案」としても活用することができます。
▲プランプランの活用イメージ(上穂波小学校研究発表会資料より)

 

紙の学級通信をPDFにして配信したり、週案を作成する際に教科等や単元名が簡単に選択・挿入でき、そのまま時間割として発信したりするという単なるデジタル化を行うものではない。ポートフォリオ機能を活用して、児童の教育活動や成果物を記録として残しながら日常的に発信したり、連絡帳機能を活用して学級別に保護者と連絡のやり取りをしたりして、学級担任と保護者の両者が使いやすいツールとして活用できるものであるため、今後本格的な運用を目指していきたい。

引用:飯塚市立上穂波小学校 令和4年度 飯塚市ICT教育推進モデル校事業 研究発表会 研究紀要 16ページより

 

上記のように学級通信の作成・印刷・配布の業務を軽減しながらも、学級の様子を学級通信と同じように保護者に伝え、相互に連絡をすることもできるようになるとされています。
プランプランは、キャリア・パスポートだけではなく、ポートフォリオ、連絡帳、学習計画の機能があり、先生方の業務効率化にも活用することができます。

授業改善・業務効率化は目的や意図をもって

飯塚市立上穂波小学校での実践は、授業改善の面でも、業務効率化の面でも、目的や意図に応じて教育DXが行われていました。ツールを使うだけで満足してしまったり、過剰なツール導入で先生方の業務が複雑になってしまったりすることを防ぐためにも、目的や意図を明確にすることは重要です。
このような実践が増えれば、子どもたちの個別最適な学び・協働的な学びは充実し、また、先生方の業務も効率化されていくことでしょう。
プランプランは、機能の改良を行い、今後も上穂波小学校をサポートしていきます。

プランプランの詳細はこちらから

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