社会の学びに広く関わる「社会教育士」とは?
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「ヤングケアラー」への支援が注目されたり、こども食堂が広がっていったりするなど、地域にはさまざまな問題があります。そんな問題を少しでも解消するための存在として「社会教育士」が存在するのをご存知ですか。今回は「社会教育士」についてご紹介します。

社会教育士とは〜地域や暮らしにある課題を解決に向けて「学び」を仕掛ける存在


画像:文部科学省|社会教育士HPより

地域にある課題を解決するためには、地域の方々が当事者意識を持って動き出すことが重要です。社会教育の分野では、地域の方々が動き出すことのきっかけになる取り組みのことが「学び」と呼ばれています。学び」を仕掛けるのが社会教育士の役割です。

社会教育主事と社会教育士の違いとは

社会教育士は資格の名前、社会教育主事は役職の名前です。

社会教育主事になるための講習を修了すると、社会教育士と名乗ることができるようになります。そのうえで、都道府県や市町村の教育委員会で実際に「社会教育主事」という役職についた方が社会教育主事と呼ばれます。

もともと社会教育主事講習を修了しても、役職につくまでは資格や立場を示す名称はありませんでした。しかし令和2年に制度が更新され「社会教育士」という名称ができたのです。

社会教育士に求められる能力3つとは

地域に「学び」を仕掛ける社会教育士には、3つの能力が求められます。

  • ファシリテーション能力
  • プレゼンテーション能力
  • コーディネート能力
  • ファシリテーション能力は、周りの人のやる気に火をつけたり、物事を自分事として捉えたりすることを支えたりするなど、周りの人の意識や行動の変化を促すために重要です。人々の「学び」を支援するための能力です。
    プレゼンテーション能力は、たくさんの人にわかりやすく、情報や想い・願いを伝えるために必要です。
    また、コーディネート能力は、人と人や組織と組織をつないだり、複数の活動が相互に理解を深められるようにしたりするために求められます。

    これらの能力を活かし、社会教育士は地域の「学び」を仕掛け、地域活動を支援していくことになります。

    社会教育士の活躍の場とは

    社会教育士の活躍の場は幅広く、所属する場を問いません。例えば行政の職員の方や、NPO職員の方、学校の教職員の方、そしてもちろん企業の方も社会教育士の資格を持って損はありません。

    活躍されている社会教育士の方々の事例については、noteで紹介されています。

    社会教育士になるには

    社会教育士になるには、「社会教育主事養成課程」または「社会教育主事講習」を修する必要があります。
    大学や短大等を卒業している方や、教員免許を取得している方、社会教育に関連する仕事に2年以上従事している方、学校で教職員として4年以上勤務している方などは、「社会教育主事講習」を受講、修了することで社会教育士になることができます。
    上記の条件に当てはまらない方は、社会教育主事養成課程を受講する必要があります。
    どちらも、大学や短大等で開講されていますが、社会教育主事講習は社会人の方が受講することも多いため、7〜8月の集中講座として開かれるケースが多いようです。

    社会教育主事講習の実施の詳細はこちら
    社会主事養成課程を実施している大学等の詳細はこちら


    画像:文部科学省|社会教育士HPより

    地域課題の解決に向け社会教育士が担う役割は大きい!

    様々な地域課題が指摘される中で、社会教育士が担う役割はこれからますます大きくなっていきます。地域の「学び」を仕掛けて行きたいという方は、社会教育士に注目してみてはいかがでしょうか。

    参考:文部科学省|社会教育士HP

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