学校で教員として働くためには教員免許が必要です。教員免許は、大学で教職課程を履修したり、教員資格認定試験を受験したりすることで取得できます。しかし、自治体に認定されれば、大学等で単位を履修しなくても限定的な教員免許を取得できます。その制度を活用して学校の教員になる「Teach for Japan」のフェローシッププログラムがあります。どんなプログラムなのでしょうか。
目次
学校の先生になるための教員免許の種類
学校で教壇に立つためには、教員免許が当然必要です。教員免許には実は細かい種類があります。
大学で教職課程を履修すると取得できるのは、「普通教員免許状」です。普通免許状にはそれぞれ校種ごとに「1種」「2種」「専修」の3種類があります。「小学校2種免許状」「中学校1種免許状」などです。高校は2種免許はありません。
普通免許状を持っていない場合でも、都道府県から認定されれば「特別免許状」や「臨時免許状」を発行してもらうことができます。特別免許状の有効期限は10年、臨時免許状の有効期限は3年です。
Teach for Japanのフェローシッププログラムは「臨時免許状」を活用しています。
Teach for Japanのフェローシッププログラムとは?
Teach For Japan フェローシッププログラムより
Teach for Japanのフェローシッププログラムとは、応募時点での教員免許の有無にかかわらず、2年間、公立学校の教員になり、現場で教育課題と向き合うプログラムです。
Teach for Japanが独自に選考と研修を行い、教員免許の有無にかかわらず教員の人材育成を行います。ここで研修を受けた人材が、Teach for Japanと連携している自治体で臨時免許状を受け、その自治体で教員になるという仕組みです。フェローシッププログラムの期間は2年間と決まっており、その間は学校の教員として働きながら、Teach for Japanの研修なども受けることができます。このフェローシッププログラムに参加している先生は「フェロー」と呼ばれています。
2年間で教員として学校や生徒にインパクトを残す
フェローは、2年間で学校の教員として、各地の教育課題に向き合います。Teach for Japanは「すべての子どもが、素晴らしい教育を受けることができる世界の実現」をビジョンとして掲げています。フェローが教員として学校に赴任して、出会った生徒、学校、地域の環境にインパクトを残すことで、教育を取り巻くさまざまな環境が変わっていくと考えられています。
フェローのコミュニティがある
フェローは、Teach for Japanの現役フェローや、修了生のコミュニティに所属します。また、Teach for Japanが加盟するグローバルネットワーク「Teach For All」との関わりを持つこともできます。教員として自分が働く自治体は一つでも、フェローのコミュニティに属していれば、教育に課題を感じている幅広い人々と関わることができるようになっています。
現役の教員もプログラム生になれる
すでに学校の教員として働いている方や、新卒で教員になろうとしている方も、フェローになることができます。教員という立場はそのままに、2年間フェローを兼ねることで、フェローのコミュニティに入れたり、専門家と連携した研修を受けたりすることができます。
Teach for Japanフェロー11期生(2023年4月赴任予定者)募集受付中!
Teach for Japanでは、フェロー11期生(2023年4月赴任予定者)の夏募集を実施しています。また、教育に関するさまざまなイベントを実施しており、フェロー修了者の話を聞くこともできます
Teach for Japanのフェローシッププログラムは、教員不足の一歩になるかもしれません。これからの展開が期待されます。