埼玉県が学生に「教師塾」教員不足の解消に向けて打つ対策の内容とは?
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教員採用試験の志願状況がほとんどの自治体で公開されています。一つ一つ見ていくと、志願者が大幅に減った自治体があったり、校種で分けていくと志願倍率が2倍を切ったりする状況になっています。競争率が3倍を切ると質の担保が難しくなるともいわれており、厳しい状況が続いています。そんななか、埼玉県では「彩の国かがやき教師塾」と銘打って、大学生向けのセミナーを開きます。一体どんなセミナーなのでしょうか。

「彩の国かがやき教師塾」は大学生向け!教員の補助業務などで教育現場を実感!

彩の国かがやき教師塾」は、埼玉県教育委員会が実施する大学生向けのセミナーです。これまでも実施していましたが、教員志願者の人材確保のため、新たに対象者が2年生にまで広げられました。学校の補助業務を実際に行ったり、体験活動に参加したりすることになっています。
内容はベーシックコースとマスターコースでことなり、マスターコースの受講者には教員採用試験の1次試験を免除することも検討されています。

2年生対象のベーシックコースは教員の仕事を体験するコース

ベーシックコースは大学2年生、短期大学1年生が対象です。埼玉県と連携している大学の学生を対象にしています。教員の仕事を体験してみたい学生向けの内容です。実施内容としては、「学習指導の補助」「学級担任の補助」「学校行事の補助」と「その他校長が指定するもの」とされています。
募集は各大学を通して行われており、募集人数は200名程度、活動は7月からとなっています。

3年生対象のマスターコースは教員に必要な資質を養うコース

マスターコースは、大学3年生を対象で、ベーシックコースと同様に埼玉県と連携している大学の学生を対象としています。こちらはより教員養成に近いコースで、卒業時に1種教員免許状の取得が見込めることが資格の一つになっています。また、埼玉県の教員を志望していることも資格の一つとなっています。
内容としては、「学校体験実習」「講演、講義・演習」「体験活動」となっており、実施する日数も40日前後と長めです。実施期間は2024年1月〜9月で、教員採用試験の期間と重なっています。合格した場合はこの期間は2025年の1月までになる予定です。こちらは今月から各大学で募集が行われています。また、マスターコースの受講者には教員採用試験の1次試験を免除することも検討されています

さいたま市でも「教師塾」が実施されている

政令指定都市であるさいたま市は、教員採用試験を埼玉県とは別に行います。さいたま市でも、教育委員会が「さいたま市教師塾『夢』講座」を実施することになっています。こちらは募集要項に明確に「修了者は『令和6年度採用さいたま市立学校教員採用試験選考』の1次試験を免除します!」と記載されています。
大学3年生の時点で教師塾「夢」講座に参加することにより、さいたま市の教員としての資質をより向上させるねらいがあります。受講者も、事前に教育活動参加したり学んだりすることができるメリットがあります。

大学生への「教師塾」は教員不足の解消の対策になるか?

教育委員会等が主催して行う「教師塾」の例を取り上げました。教員不足が深刻なだけではなく、教員の志願者自体も数が減少しています。この実態を打破するために、早い段階から教育現場に入り、慣れ親しんでいくことで教師の仕事の魅力にも気づくことができるかもしれません。少しでも志願者が増えるように期待されるところです。

参考:
彩の国かがやき教師塾受講生募集
志願者増へ「教師塾」 埼玉県教委、大学生対象に
埼玉県、大学2・3年生対象「彩の国かがやき教師塾」開講
さいたま市教員養成あすなろプロジェクト 令和4年度 さいたま市教師塾「夢」講座 募集要項

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