2024(R6)年採用予定・教員採用試験の結果:北海道・東北編
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2023年に実施された教員採用試験は、ほとんどすべての自治体で終了し、結果が発表されています。教員不足等が度々ニュースになりますが、今年の教員採用試験の結果はどうだったのでしょうか。すべての自治体についてご紹介します。今回は、北海道・東北編です。

採用予定者数に対して合格者の人数は?

各自治体の採用試験では、採用予定の人数が明示されています。採用予定者数に対し、合格者数が何名程度いるのかを算出し、”充足率”としました。合格者の中からは、大学院進学等の理由により、採用される年度を延期する場合があったり、そもそも採用を辞退する場合などもあります。100%ちょうどにするのは難しい可能性もありますが、人数が足りているのかどうかの目安にはなるでしょう。採用者数の人数を補うため、補欠合格枠を設けている自治体もありますが、今回の人数には含めていません。

 データの見方データの見方
採用予定(A):自治体が公開している採用予定者の数
志願者(B):教員採用試験の受験を申し込んだ人の数
1次合格者(C):一次試験の合格者数(志願者のうちの一次試験免除者を含む)
最終合格者(D):最終的に合格者として発表された人数(多くの自治体では二次試験の合格者、一部自治体では三次試験の合格者)
合格倍率(B/D):受験者数を最終合格者数で割った倍率
充足率(D/A):最終合格者数を、採用予定者数で割った数
各自治体の合計値には、特別選考枠の志願者・受験者・合格者等が含まれている場合があります。

北海道の教員採用試験の結果

北海道の教員採用試験の結果は以下のようになっています。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 370 651 644 423 1.54 114.3%
中学校 275 948 659 304 3.12 110.5%
高校 155 611 491 218 2.80 140.6%
特別支援 122 118 196 97 1.22 79.5%
養護 80 388 264 122 3.18 152.5%
栄養 15 81 74 18 4.50 120.0%
合計 1017 2797 2328 1182 2.37 116.2%

志願者数を合格者数で割った合格倍率は概ね1.5〜3倍になっています。
人数も採用予定者数には足りているようです。
令和6年度(2024年度) 北海道・札幌市公立学校教員採用候補者登録状況等について

札幌市の教員採用試験の結果

政令指定都市は都道府県とは別に採用試験が行われます。札幌市と北海道は合同で行われていますが、札幌市を志願している人は別で人数がでています。

採用予定
(A)
志願者数
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 140 468 386 205 2.28 146.4%
中学・高校 100 569 295 115 1.93 115.0%
特別支援 50 113 88 49 2.31 98.0%
養護 10 85 31 10 8.50 100.0%
栄養 5 33 12 5 6.60 100.0%
合計 305 1268 812 384 3.30 125.9%

中学校と高校は合同での採用となります。合計の倍率は北海道より高くなっており、3倍を超えています。小学校の区分でも2.28倍となっています。
令和6年度(2024年度) 北海道・札幌市公立学校教員採用候補者登録状況等について

青森県の教員採用試験の結果

青森県の教員採用試験の結果は以下のようになっています。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 130 161 152 135 1.19 103.8%
中学校 90 354 215 99 3.58 110.0%
高校 25 338 90 29 11.66 116.0%
特別支援 40 117 76 41 2.85 102.5%
養護 10 89 23 11 8.09 110.0%
栄養 - 18 6 1 18.00 -
合計 295 1077 562 316 3.41 107.1%

小学校では採用予定者数130名に対し、出願者が161人と少なめです。
他方、中学校、高校は志願者数が多く、倍率も高い水準になったようです。

岩手県の教員採用試験の結果

岩手県の教員採用試験の結果は以下の通りです。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 200(小中) 562(小中) 200 130 - -
中学校 150 79 - -
高校 70(高特) 249(高特) 96 43 - -
特別支援 49 25 - -
養護 20 - 44 23 - 115.0%
合計 290 983 539 300 3.28 103.4%

採用予定者数・志願者数については、小学校と中学校の合計数、高校と特別支援学校の合計数が示されています。
全体の倍率は3倍になっています。

岩手県教育委員会・令和6年度岩手県公立学校教員採用候補者選考試験一般選考第2次選考の結果

宮城県の教員採用試験の結果

宮城県の教員採用試験の結果は以下の通りです。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 230 353 304 250 1.41 108.7%
中学校 100 275 170 93 2.96 93.0%
高校 80 390 192 105 3.71 131.3%
中学・高校 345 145 85 4.06 -
養護 5 129 28 16 8.06 320.0%
栄養 - 19 10 1 19.00 -
合計 415 1511 849 550 2.75 132.5%

中高共通の枠がありますが、採用予定者数は各校種に含まれています。小学校の区分のみ、1.4倍程度と倍率が低い傾向にあります。
養護教諭は合格者の人数が多いようです。
令和6年度宮城県公立学校教員採用候補者選考 第2次選考結果

仙台市の教員採用試験の結果

仙台市は政令指定都市のため、宮城県とは別で教員採用試験が実施されます。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 120 422 337 124 3.40 103.3%
中学校 50 421 31 12 35.08 24.0%
高校 - 54 31 6 9.00 -
中学・高校 - 123 51 - -
養護 - 91 24 9 10.11 -
栄養 - 20 7 2 10.00 -
合計 170 1008 553 204 4.94 120.0%

志願者数について、中学の枠は、中高共通も含まれます。 高校(地理歴史,公民,理科,情報,工業,商業)、養護、栄養教諭は各枠若干名採用とされています。

参考:令和6年度仙台市立学校教員採用選考 結果

秋田県の教員採用試験の結果

秋田県は、全国学力・学習状況調査(いわゆる全国学力テスト)でも高い学力水準を保っている自治体です。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 90 130 112 93 1.40 103.3%
中学校 60 216 138 64 3.38 106.7%
高校 23 185 83 26 7.12 113.0%
特別支援 24 56 42 24 2.33 100.0%
養護 8 60 31 8 7.50 100.0%
- 1 1 2 0.50 -
合計 205 648 407 217 2.99 105.9%

中学、高校は倍率も高い状況ですが、小学校は1.4倍となっています。

秋田県教育委員会・令和6年度 秋田県公立学校教諭等採用候補者第二次選考試験 合格者

山形県の教員採用試験の結果

山形県の教員採用試験の結果は以下の通りです。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 185 236 212 184 1.28 99.5%
中学校 85 229 129 86 2.66 101.2%
高校 35 194 83 35 5.54 100.0%
特別支援 25 40 38 25 1.60 100.0%
養護 15 72 26 12 6.00 80.0%
栄養 - 10 5 1 10.00 -
- 1 1 1 1.00 -
合計 345 782 494 344 2.27 99.7%

その他の枠には、スポーツ特別選考が該当します。
小学校の受験区分は、合格者数が採用予定者数を下回っています。倍率も1.28倍と低い傾向にあります。その他の区分についても、採用予定者数とほぼ同じ人数を合格者としているようです。

令和6年度採用 山形県立学校教員選考試験 第二次試験 合格者数一覧

福島県の教員採用試験の結果

福島県の教員採用試験の結果は以下の通りです。

採用予定
(A)
志願者
(B)
1次合格者
(C)
最終合格者
(D)
合格倍率
(B/D)
充足率
(D/A)
小学校 300 405 307 318 1.27 106.0%
中学校 170 612 191 173 3.54 101.8%
高校 45 432 60 53 8.15 117.8%
特別支援 40 149 73 43 3.47 107.5%
養護 20 181 25 22 8.23 110.0%
合計 575 1779 656 609 2.92 105.9%

小学校の区分は倍率が1.27倍と低めです。また、1次試験の合格人数を、2次試験の合格者数が上回っていますが、一次試験を免除された人などが含まれているためと考えられます。

令和6年度福島県公立学校教員採用候補者選考試験第二次選考試験結果

北海道・東北の教員採用試験の倍率は2〜4倍程度

北海道・東北の教員採用試験の結果についてご紹介してきました。
区分ごとに見ると2倍を切る厳しい状況の部分もありますが、全体の倍率では2〜4倍のとなっていました。人数にしても、採用予定者数に足りる数に合格を出していることがわかります。
とはいえ、教員採用試験の倍率は、有効求人倍率と逆相関することが知られています。倍率だけではなく、人数を確認してみると別の見え方があるかもしれません。

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