学校の働き方改革がさらに進む?文科省の通知を解説!

学校での働き方改革が少しずつ進んでいます。教員の勤務時間は、全体的に少し減少していますが、長時間勤務がなくなったわけではありません。現在の働き方改革への取り組み状況について「補足事項」として文部科学省から新たな通知が2023年2月3日に出されました。今回はその通知の内容についてご紹介します。

2/3の通知の背景


今回の通知は、学校における働き方改革の取り組みの状況について、依然として長時間勤務の教師も多く、自治体・学校間の取組状況に差が見られるため、以前出された「令和4年局長通知」に補足事項整理されたものです。
教育委員会には、この通知を周知することと、所管の学校の校長が働き方改革を進められるように権限と責任を与えられるように必要な指示や支援に努めることが指示されています。
整理された補足事項5つのポイントは以下の通りです。

1.勤務時間管理の徹底

勤務時間管理については、教職員の在校等時間の上限時間を、自治体の条例や規則に反映することが求められています。
在校等時間は、在校時間に加えて、校外での職務の時間、テレワークの時間を含めた時間から、勤務時間外に行う自己研鑽の時間と休憩時間を除いた分とされています。
在校等時間の上限の目安は、在校等時間から所定の勤務時間を除いた、いわゆる"時間外勤務"の時間数で考えます。
1ヶ月の合計は45時間、1年間の合計は360時間とされています。

また、在校等時間については、タイムカードなどを使って客観的な把握をすることが必要とされています。

2.働き方改革に係る取組状況の公表等

学校の働き方改革に係る取組状況は、各教育委員会のホームページなどで公表する必要があるとしています。それは、学校の働き方改革の中には地域住民や保護者の協力が必要なものがあるためです。

3.学校が担う業務の役割分担・適正化

学校が担う業務の役割分担・適正化については、すでに「3分類」が提示されています。そのうちの「基本的には学校以外が担うべき業務」を、関係者間で役割分担し、共通認識を図ることが重要だとされています。
「基本的には学校以外が担うべき業務」には、登下校に関する対応や、学校徴収金の徴収・管理などが当てはまります。

4.ICTを活用した校務効率化

学校と保護者間の連絡手段についても指摘されています。急な連絡などについては連絡手段がデジタル化されているケースも多いようですが、日常的なお知らせなどは未だデジタル化されていない地域が多いようです。これらをデジタル化することで、教職員や保護者の負担軽減を図るように示されています。

5.本通知の位置付け

この通知は、「令和4年局長通知」の内容を補足するものです。
「令和4年局長通知」と呼ばれているのは、初等中等教育局長通知「令和3年度教育委 員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果等に係る留意事項に ついて(通知)」R4/1/28です。
また、以下の2つの資料も働き方改革に大きく関わっています。
中教審答申「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」H31/1/25
文部省学事務次官通知「学校における働き方改革に関する取組の徹底について(通知)」H31/3/18

学校の働き方改革は進む?

今回の通知で、特に教職員の在校時間等を記録、把握することについて、令和5年度中に対策をすることが求められています。地域によって取り組みの違いがあっても、今回の通知で対策が少し進むことを期待したいものです。今後の動きにも注目です。

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