みなさんは何かを覚えるとき、どのようにして覚えますか?何度も書いて覚える、ひたすら見て覚える、口に出して覚える、絵と関連付けて覚える、語呂合わせで覚えるなど様々なやり方があり、人によって得手不得手があると思います。その違いは「認知特性」と言われ、外部の様々な情報をインプットしたりアウトプットしたりする方法のことです。認知特性に配慮しながら授業を設計することで、より多くの児童生徒の理解が深まる授業になるかもしれません。認知特性とは一体なんなのかご紹介していきます。
見て覚えるか?聞いて覚えるか?読んで覚えるか?
目で見る、耳で聞くなどした情報を受け取り、記憶し、理解するときに、人それぞれ異なるやり方をしています。その違いを認知特性といい、大きく3つに分類することができます。
- 視覚優位
- 言語優位
- 聴覚優位
それぞれの特徴は、本田真美先生の『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』にて詳しく解説されています。その中から抜粋してご紹介いたします。
見て覚える!視覚優位者
視覚優位者は、情報を見て記憶するのが得意とされています。その中でも2つのタイプに分類され、
があります。
カメラタイプは、見たものを写真のように捉えて覚えるのが得意なので、イラストと紐付けたり、ノートの書く場所を固定するようにしたりすると、効率よく暗記することができます。
3Dタイプは、立体的に覚えたり、順序を覚えたりするのが得意です。動画などを活用すると理解が深まります。
言葉を使う!言語優位者
言語優位者は情報を読んで記憶するのが得意とされています。その中でも2つのタイプに分類され、
があります。
ファンタジータイプは、読んだ文章から情景をイメージしたり、イメージした様子を言葉に変換したりするのが得意なので、ストーリーを作ったり、イメージと結び付けたりすると理解が深まります。
辞書タイプは、文章を図式化するのが得意なので、理解したことを自分なりに図としてまとめていくという勉強法が向いています。
聞いてわかる!聴覚優位者
聴覚優位者は、情報を聞いて処理するのが得意とされています。その中でも
に分かれます。
ラジオタイプは、音読したり、録音したものを聞いたりすることで記憶が定着しやすくなります。
サウンドタイプは、文章などだけでなく音階や音色なども含めて、聞いた情報をイメージとして捉えられるという特徴があります。先生の声を真似て音読するのも効果的です。
自分の認知特性を把握して、バランスのよい情報提示を
どの認知特性が強いかは、先述の本田真美先生の『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』を購入するか、本田式認知特性研究所の公式LINEに登録することで診断テストを受けることができます。
自分がどの認知特性なのかを把握することで、自分の勉強法について見直すきっかけになります。また、自分が行う授業の際には、児童生徒の認知特性がそれぞれ異なることを把握した上で、文章や文字、音、図、写真など様々な形式で情報を提示すると、理解が深まる授業になるかもしれません。
参考:
本田真美『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』
本田40式認知特性テスト
宮城県教育委員会ともまなびガイド <特性理解編> 認知特性と授業
認知機能見える化プロジェクト:認知特性とは