"勉強のしかた"が成績アップの近道!学習意欲も向上〜東大×ベネッセの調査より

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東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同研究プロジェクトの結果速報が公開されました。近年、学習意欲が低下している状況を鑑み、2022年の調査、分析は、「学習方法の理解」に注目して行われました。その結果、「上手な勉強の仕方がわからない」と回答した子どもたちは全体で7割にものぼることがわかりました。また、今回の結果では、学習方法の理解の2年間での変化が、学習意欲や成績との関連があることが示されました。今回の記事では、この調査について詳しくご紹介します。

学習意欲は学習方法の理解と関係がある?今回の調査の概要とは

今回の調査は、東京大学社会科学研究所と株式会社ベネッセコーポレーションのベネッセ教育総合研究所により実施されました。「子どもの生活と学び」を明らかにする共同研究プロジェクトで、2015年から継続して実施されています。これは、同一の親子を対象に行われている調査で、親子の意識の変化などがわかる調査となっています。
対象となる子どもの学年は、小学校4年生から高校3年生までです。

「上手な勉強のしかたがわからない」子が増加中?今回の調査結果

今回の調査結果の概要について、東京大学社会科学研究所からプレスリリースが出されています。こちらから調査の結果について抜粋してご紹介していきます。

「上手な勉強のしかたがわからない」という子どもが、この4年間で増加

「上手な勉強の仕方がわからない」という質問に対し、「とてもあてはまる」「まああてはまる」と答えた子が全体の7割になりました。

2019年から上昇傾向で、小4〜高3の全体では、4年間で10.3ポイントも上昇しています。
小学校4〜6年生、中学生、高校生のどの区分を見ても上昇傾向であることは変わりありません。
(以下、「上手な勉強の仕方」を「学習方法」として記述)

学習意欲と学習方法の理解には相関あり!

学習意欲と、学習方法の理解、成績、学習時間との関連について見ていくと、学習意欲と、学習方法の理解にやや強い相関が見られました。(全体での相関係数=0.528)

意外なのは、成績との関連です。学習意欲や、学習時間よりも、学習方法の理解が成績ともっとも強い関連がありました。学習時間は弱い相関しか見られなかったということです。

学習方法の理解の変化は、学習意欲の変化と連動して変化!

今回の調査は、同一の親子に調査しているものなので、個人の変化についても分析することができます。そこで、学習方法の理解について変化を見ています。
「上手な勉強のしかたがわからない」に対して「とてもあてはまる」「まああてはまる」と回答した子どもたちは、学習方法「不明」群とします。
同じ質問にたいして、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」と回答した子どもたちは、学習方法「理解」群とします。
2021年度の調査で、「理解」の子どもたちのうち、2022年度も「理解」の子どもたちを「理解キープ」群、「不明」に変化した子どもたちを「不明に変化」群とします。
2021年度の調査で「不明」の子どもたちのうち、2022年度に同じく「不明」だった子どもたちを「不明のまま」群、「理解」に変化した子どもたちを「理解に変化」群とします。
学習意欲についても同様で、学習意欲がある「意欲高」群、学習意欲の低い「意欲低」群とし、2年間で「意欲高」を維持した子どもたちを「意欲キープ」群、「意欲低」から「意欲高」に変化した子どもたちを「意欲上昇」群、「意欲高」から「意欲低」に変化した子どもたちを「意欲低下」群、「意欲低」を維持した子どもたちを「低意欲のまま」群とします。

そのように見ると、学習方法の「理解に変化」群は、学習意欲も向上している割合が高いという結果が出ています。反対に、学習方法の「不明に変化」群は、学習意欲も低下している割合が高いという結果が出ています。
また、学習方法の「理解キープ」群には、「意欲キープ」の割合が高く、学習方法の「不明のまま」群には、「低意欲のまま」群の割合が高い結果になっています。

学習方法が理解できるようになると、成績も上昇!


前述の分類をそのまま使い、学習方法についての成績の変化をみると、「理解キープ」群と「不明のまま」群は成績にはほとんど変化がありません。
しかし、「理解に変化」群は偏差値にして1.8ポイント上昇し、「不明に変化」群は偏差値が1.2ポイント低下する結果となっています。

勉強のしかたがわかれば成績UPのチャンスかも!

今回は子どもたちの学習方法の理解について着目した調査の結果についてご紹介していきました。
上手な勉強のしかたがわかるようになることが、子どもたちの成績向上につながっている可能性が高いことがわかります。
子どもたちを指導するにあたっても、さまざまな考え方や勉強のやり方を伝えることで、子どもたちが自分に合った方法を試行錯誤することができるかもしれません。
今回の調査についてのレポートは、東京大学社会科学研究所のプレスリリースや、ベネッセ教育総合研究所のHPで公開されています。
より詳しいデータをご覧になりたい方は、そちらもご参照ください。
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