公立小学校でもここまでできる!自由進度学習を導入している学校3選
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個別最適な学びや協働的な学びを充実させることが求められていますが、一斉授業が多い環境の中では取り組みにくい部分もあるかもしれません。しかし、公立の小学校でもさまざまな取り組みが行われています。今回は、公立の小学校で自由進度学習やイエナプランを取り入れている学校をご紹介します。

山形県・天童市立天童中部小学校

山形県にある天童市立天童中部小学校では、単元内自由進度学習「マイプラン学習」や、自分で決めたテーマで探求学習に取り組む「フリースタイルプロジェクト」などを行なっています。
マイプラン学習では、1つの単元の学習を、自分で立てた学習計画に沿って子どもたち一人一人が取り組んでいきます。学びの手引きをもとに一人ひとりが計画を立て、自分のペースで学習していくため、学習課題をクリアして発展的な課題に取り組む子もいれば、じっくり取り組みたい課題に時間をかけていく子もいるそうです。さらに、2教科のマイプラン学習を同時に進めるため、時間配分はかなり柔軟になり、子どもたちにとっての個別最適な学びが実現できます。また、子どもたち同士で自由に交流しながら学習が進められるため、協働的な学びも実現されていきます。
マイプラン学習は、各学期に1〜2回程度で1つの単元は8〜10時間程度、2教科同時進行していくようになっています。また、フリースタイルプロジェクトは年間40時間程度実施されているようです。
年間の学習計画は天童中部小学校のホームページで公開されています。

参考:奈須正裕『個別最適な学びと協働的な学び』 東洋館出版

愛知県・名古屋市立山吹小学校

名古屋市では、「NAGOYA School Innovation」として、市全体で個別最適な学びと協働的な学びの充実に取り組んでいます。

NAGOYA School Innovationとは
名古屋市教育委員会では教育改革を市全体で推進するため、「NAGOYA School Innovation(ナゴヤ スクール イノベーション)」と銘を打ち、子ども一人ひとりの興味・関心や能力、進度に応じた「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を推進しています。

名古屋市教育委員会事務局 新しい学校づくり推進部新しい学校づくり推進室より

その中で、官学連携を深めるマッチングプロジェクトが実行されており、さまざまな企業や団体と学校がタッグを組んで、教育課題に取り組んでいます。

名古屋市立山吹小学校は、日本イエナプラン教育協会と連携した取り組みを行なっています。具体的には、

  • 児童が自らが学習計画を立てて取り組み、その結果を自ら振り返る学習者中心の学びを取り入れたカリキュラムの作成・実践
  • 学習者中心の学びに向かうための教員研修の実施
  • 児童が自らタブレットで学習活動の成果等を表現できる場を設けるなど、豊かな学びの環境の構築
  • 等が行われています。
    山吹小学校では、「プランプラン 学習計画」も導入されています。

    広島県・廿日市市立宮園小学校

    広島県は教育委員会主体で個別最適な学びの調査研究を進めています。4校での実践例が挙げられていますが、中でも廿日市市立宮園小学校では、単元内自由進度学習が取り入れられています。


    広島県教育委員会 個別の状況に応じたカリキュラムの編成・実践に関する提案 実践事例報告(1)より

    実践事例報告によると、AI教材Qubena等を導入しつつも、教科書やプリント等を併用したり、状況に応じて先生が複数名に説明したりすることもあるようです。
    ここでも、子どもたち同士で教え合う姿がみられ、個別最適な学びだけでなく、協働的な学びも生まれているようです。
    実践の内容は、Webの記事でも紹介されています。

    参考:広島県教育委員会 個別の状況に応じたカリキュラムの編成・実践に関する提案

    公立小学校でも個別最適な学び&協働的な学びを充実させる取り組みは可能!

    個別最適な学びと協働的な学びを充実させるカリキュラムを導入している学校は、公立小学校の中にも複数あります。実践例を参考に、さらに取り組みが広がっていくといいですね。

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