米国の先進的教育に学ぶ、日本の探究学習の在り方 - High Tech Highの実践から考える対話学習会レポート
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2024年3月22日、オンラインにて「High Tech Highのドキュメンタリー映画から『探究』を考える 対話学習会」が開催されました。映画で描かれるアメリカの先進的なプロジェクト型学習の実践から、日本の探究的な学びの在り方を参加者同士で議論を深めました。 

先進的な探究学習の事例:High Tech High

本イベントは、近年注目を集める「探究的な学び」「PBL(プロジェクト型学習)」「STEAM教育」などをテーマに、米国の特徴的な教育実践を紹介したドキュメンタリー映画『Most Likely to Succeed』を視聴した上で、参加者同士が対話を行う形で進められました。

映画の舞台となっているHigh Tech High(ハイテック・ハイ)は、アメリカのチャータースクールです。生徒と教師がチームを組んで質の高いプロジェクトを作り上げるPBLの実践で評価されており、生徒の非認知能力を伸ばしつつ、学力面でも高い成果を上げています。

イベント冒頭では、High Tech Highを実際に訪問した上園先生から、実際の学校の様子を共有していただいた上で、3人ずつの少人数グループに分かれて対話のセッションが行われました。上園先生には、実際の学校の様子を写真や動画を交えてお話いただきました。

探究的な学びを実現するための鍵:教師の「問い」と意識改革

対話タイムの中では、High Tech Highの先生の「問い」が秀逸であり、生徒の学びを充実させるためにはそういう問いが不可欠であるという意見が出てきました。
また、イベントにはこの3月に高校を卒業したばかりの学生も参加しており、自分が受けてきた探究的な学びについてグループで話をしてくれました。

対話の中では、「体験型の学びや、生徒自身が切実に望む学びや発表の場があるものは、本人の記憶にも残る」「知識を学ぶことは重要だが、それ以外の学びの機会も充実させたい」といった感想が聞かれました。また、「そのためには教師自身が変わらないといけない」という指摘もありました。

教員だけでなく、地域の教育関係者など多様な参加者が集まり、どのグループでも対話タイムは非常に盛り上がり、時間いっぱいまでお話をされていました。日本の学校教育の変革に向けた熱い思いが共有されたようです。

イベントを通じて生まれた、明日からの行動宣言

対話を終えたあと、最終的に「これから自分でできそうだと思ったこと/やっていきたいこと」を宣言する時間を設けました。参加者の方からは「失敗OK、間違いOK」「自分が楽しい人生を送る」「発信する」「仲間を見つける」など、明日から実行できそうなことがたくさん挙がりました。この場に集まった先生方同士がつながり、少しずつ教育が変わるネットワークが広がっていくことが期待されます。

▲参加者から出た「これから自分でできそうだと思ったこと/やっていきたいこと」

 

本イベントは「探究を探究する会」が主催で実施されました。今後も探究的な学びやSTEAM教育などをテーマに、学びを深めるイベントを企画していくとのこと。これからも注目です。

共催:一般社団法人 Future Edu
https://www.futureedu.tokyo
・プランプラン株式会社
https://www.planplan.ac

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