小学校・中学校のキャリア教育の実践例@北九州〜キャリア教育研究会”夢授業”ってなに?

キャリア教育の実践は各学校で行われています。小学校や中学校では、各教科の学習の中からキャリア教育につなげたり、外部講師などを招いて学習したりするなど、子どもたちのためにたくさんの工夫がなされています。今回は、福岡県を中心に行われていキャリア教育の夢授業をご紹介します。

キャリア教育研究会とは?

キャリア教育研究会は、2013年に発足したボランティア団体です。福岡県の北九州市で活動を始めました。徐々に活動の場を広げ、福岡県内に9つと東京にそれぞれキャリア教育研究会を立ち上げています。
職業人」と呼ばれる一般社会で楽しく熱心に働いている方と、子どもたちが交流できるような授業を、小学校や中学校で行っています。2020年3月末時点では、キャリア教育研究会のメンバーはおよそ100名、「職業人」は約1000人となり、活動を活性化させています。

学校で行う”夢授業”〜職業人と子ども達の交流

キャリア教育研究会が行う授業は「夢授業」と名前が付けられています。過去の実績では、毎回20〜40人程度の「職業人」に集まってもらい、実施する学校の子どもたちと直接対話をするという形で行われています。
職業人は、キャリア教育研究会からの参加や、夢授業を行う学校のPTA経由で集まることもあるそうです。子どもたちが身近な大人たちから学ぶ機会が作られています。
Facebookページには、夢授業の写真がたくさん掲載されています。
また、youtubeにも夢授業の動画が掲載されています。

これぞキャリア教育!夢授業への思い

2020年6月には、夢授業に参加した「職業人」の話をまとめた本が出版されています。その本の冒頭で、夢授業についての説明がありました。

日本の未来を考えたとき、子どもたちの心を耕し、希望の種をまいていく必要があります。それが社会を変えていく方法だと信じて集まった大人たちが、このボランティア組織を運営しています。より良い社会をつくるためには、もちろん制度や法律も必要となりますが、それ以前に、それらをつくる人を育成していくことが大切だと私たちは考えています。そのためにも、子どもたちに「社会を知ってもらう」必要があります。その一環として、私たちは夢授業を行うことにしたのです。
(中略)
現在の私たちの社会は、「己」が中心ではないでしょうか? 政治はどうなっているのか? 予算はどうなっているのか? 誰が誰のために? 現在の社会は、わたしたちの祖先が築いてきてくれたものです。それを踏まえて、今、私たちは何をするべきなのか--。その思いを形にしてきたのが夢授業なのかもしれません。

北九州キャリア教育研究会編『夢授業 大人になるのが楽しくなる、もう一つの授業』より
大人が直接自分の仕事のことや、そこへ至るまでの経緯を伝えるということが、子どもたちにとって価値があることなのだということが伝わります。だからこそ、夢授業が各地に広がっているのでしょう。
本書の続編が出版されることも決まっており、本書に掲載できなかった「職業人」の話がさらに盛り込まれていくということです。

キャリア教育のまとめはキャリア・パスポートで

今回ご紹介した夢授業のように、キャリア教育の取り組みが各地で進んでいます。しかし、授業がやりっぱなしになっては教育的効果が十分に発揮されません。国立政策研究所のレポートでも、キャリア教育の体験活動等における事前・事後活動の重要性が示されています。とくに事後活動においては、キャリア・パスポートに振り返りをまとめると効果的であるとされています。プランプランは、無料で使えるキャリア・パスポートの管理システムです。学校全体ではなく、1クラス、1学年だけなどでのご利用も大歓迎!今なら初期設定のサポートも無料です!
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