書籍紹介〜「中高生のための文章読本--読む力をつけるノンフィクション選」
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国語の教科書にはさまざまな教材文が載っています。物語文のイメージが強いかもしれませんが、説明文や論説文と呼ばれるノンフィクションの文章も入っています。物語は楽しく読めても、説明文は難しいと感じる子どもたちも多く、中学以降はよりその傾向が強くなるようです。そこで、中学校、高校の先生方が、「ノンフィクションを読む楽しみを知ってほしい」と考えて作った本が出版されました。「中高生のための文章読本--読む力をつけるノンフィクション選」です。今回は、この一冊を紹介します。

中高生のための文章読本ー読む力をつけるノンフィクション選

タイトル:中高生のための文章読本--読む力をつけるノンフィクション選
編集:澤田英輔・仲島ひとみ・森大徳

本書には、21篇のノンフィクションの作品が掲載されています。どの文章も、教科書に載るくらいの長さになっており、5〜10分程度で読むことができるようになっています。また、文中の言葉への注釈も細かく入っており、初めて触れるジャンルの文章でも読み進めやすくなっています。
それぞれの文章には「手引き」として、文章の読みを深めたり、文章と読者自身の経験を紐づけたりするような問いが用意されているのもポイントです。

 

掲載されている文章の筆者
長田弘
上橋菜穂子
水口博也
稲垣栄洋
近藤雄生
笹原留似子
瀧本哲史
末永幸歩
岡田美智男
穂村弘
郡司芽久
伊藤亜紗
成田龍一
藤原辰史
水野敬也
オードリー・タン
藤田正勝
海老原宏美
ブレイディみかこ
菅野仁
吉永明弘
苫野一徳
文月悠光

読書の手引きも

後半には、編者の先生方から「読書の手引き」として、本へのたどりつき方や、本の選び方についてのコメントがあります。書店や図書館で本が見つけられるように十進分類法について書かれていたり、気軽に本を探す方法の一つとして書評サイトがいくつか紹介されていたりと、読み手が読書にさらに親しむことができるようになっています。

また、中高生向けノンフィクションレーベルの図解のページがあり、「岩波ジュニアスタートブックス」など読み始めに向いているシリーズから、「ちくま新書」などの一般向け新書レーベルまで分類して説明されています。読者が自分で新たな本を手に取りやすくなる工夫が散りばめられています。

中高生の指導に関わる先生におすすめ!大人が読んでも面白い

中高生を読み手として作られているので全体的に読みやすく、コラムも知的好奇心がくすぐられるものばかりです。中学生や高校生だけでなく、大人が読んでもおもしろい一冊です。中高生の指導に関わる方、ノンフィクションの世界に足を踏み入れたい方、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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