キャリア・パスポートは平成28年12月の中央教育審議会で提案され、児童生徒が活動したことを記録して蓄えておくための教材として検討されてきました。特別活動を軸としたキャリア教育を実践するために効果的で、2019年より先行実施が始まり、2020年度4月から小中高全ての校種で実施されます。ここでは、愛知県におけるキャリア・パスポートの取り組みについての事例をご紹介していきます。
目次
キャリア教育ノート「夢を見つけ夢をかなえる航海ノート」
キャリア・パスポートでは、日々の授業や学校行事での体験で学んだことを記録してファイルに保管し、振り返り活動を行うことが大切になります。児童・生徒は学期末や学年末などの終わりに、自分が書いたノートやポートフォリオなどを振り返って自分の成長を確認・実感し、自分自身の現在を見つめて生き方や将来の職業を考える活動を通して自立の基盤となる態度や能力をサポートする役目を果たします。
愛知県では、キャリア教育ノート「夢を見つけ夢をかなえる航海ノート」を活用しています。児童生徒を船員に、義務教育9年間を航海に例えてキャリア教育のマスコットキャラクターである「キャプテン・アイリス」がノートをガイドしています。
出典:愛知県「キャリア教育ノート」
キャリアコミュニティプロジェクトモデル事業
愛知県では一宮市、小牧市、弥富市、南知多市、刈谷市、蒲郡市の6市町村でキャリアコミュニティプロジェクトモデル事業を実践しています。あいちのものづくり連携推進や小中高連携推進、男女共同参画をテーマに中学校でキャリア・パスポートの事例として実践しています。
愛知県の小学校での事例
愛知県で平成28年度に実施されたキャリア・パスポートの事前事例として「地域に学び・語り継ぐキャリア教育推進事業」の実践事例があります。
17市町村17校で実践し、2,128人の児童が参加しました。児童からは「働くことに対する強いあこがれを持てた」「職人たちは経験や苦労をもとにして工夫を重ねて仕事を続けていることが分かった」「講師の話を聞いて自分の将来を見つける機会につながった」などの感想がありました。一方で、課題もありました。仕事の苦労に対する感想が多く、仕事のやりがいや楽しさを学ばせることが大切との意見も上がりました。
愛知県の中学校での事例
愛知県の中学校で平成28年に実施したキャリア・パスポートの事例や感想を紹介します。
306校、49,410人の生徒が参加し、事前訪問や職場体験、事後訪問を含めて96.4%の学校が3日以上活動しました。「職場体験のときは緊張して、仕事に対する責任を感じた」「社会人の大変さと保護者へ感謝の気持ちを持てた」「自分で考えて行動できる人間になりたい」など職場体験をした生徒からの感想がありました。一方で、中学校では学年へのつながりを意識したカリキュラム作りが必要だと教員間から課題が上がりました。
キャリア・パスポートを行う上で
キャリア・パスポートの作成は児童・生徒にとって自分の学習状況やキャリア形成を見通し、振り返る活動を通して自己評価を行い、主体的に学びに向かう力を育んで自己実現につなげる活動になります。
教師にとっては児童・生徒の記述を通して対話的に関わり、子どもたちの成長を促して系統的な指導に資するものです。体験的な活動だけではなく、ノートへの振り返る場面を設けて支援する場面も大切となります。
「プランプラン キャリア・パスポート」を活用しましょう
より良いキャリア教育を行うためにも、キャリア・パスポートをきちんと運用をするためにも「プランプラン キャリア・パスポート」を活用してみてはいかがでしょうか?
「プランプラン キャリア・パスポート」は、文部科学省の例示資料に準拠したシステムで、更なる教職員の方々の作業負荷を軽減するために開発されました。もちろん各地域・学校の実情に応じたオリジナルのキャリア・パスポートを作成することも可能です。小学校6年間(中学校・高校まで)通してシステムで一元管理することができ、教職員の働き方改革、児童・生徒の個別最適な学びをサポートします。利用料金は無料!今なら初期設定もサポートします。学校全体ではなく、1クラス、1学年だけなどでのご利用も大歓迎です。費用を気にすることなく、先生方の手間を減らし、子どもたちにとっても便利なシステムを導入してみませんか。