夏休みの宿題の定番「読書感想文」、どうやって書く?書き方や書くことでつく力を紹介!
Pocket

夏休みの宿題といえば、自由研究と読書感想文が思いつくのではないでしょうか。具体的な書き方を教わっていなかったり、そもそも読書が苦手だったりと、「やりたくない」と思う要素が多いかもしれません。しかし、ポイントを押さえれば書き方は難しくありません。また、わざわざ読書感想文を書くことにメリットを感じない人もいるかもしれませんが、学べることも多くあります。今回は読書感想文についてご紹介していきます。

書く意味ある?「読書感想文」を書いてつく力とは?

小学校の国語の授業で育てるべき資質・能力や、取り扱う内容については、学習指導要領に記載があります。
「知識・技能」の領域では「読書」という項目があり、低学年から読書に親しみ、読書を通して必要な知識や情報を得ることに役立ったり、自分の考えを広げることに気付けるようにすることが求められています。
「思考・判断・表現」の領域では、「書くこと」として、文章を書くための題材の設定や構成の検討、自分の考えの形成や記述などを、子どもたちができるようにしていくことが求められています。また、「読むこと」としては、文章を読んで、構造と内容を把握したり、自分の感想や考えをもったりすることができるようにしなければいけません。

読書に親しむ方法の一つとして、読書感想文という方法がとられているのかもしれません。また、感想文を書くためにはもちろん文章を読んで内容を読み取る必要もあり、自分の感想や考えをもつことになります。そして、読み取った内容や自分の考えを文章に表すことで、「読むこと」「書くこと」をどちらも実施することになります。
そう考えると、読書感想文は、国語で育成する資質・能力の多くの範囲を網羅している課題と言えるでしょう。

読書感想文の「書き方」とは?

読書感想文を通してさまざまな資質・能力を育てることができるといっても、ただ書くだけになってはあまり意味がありません。小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭では、お家の方がお子さんに書き方を伝えたくても、自分がうまく書けなかったという経験しかなければ、教えることも難しいかもしれません。そんなときのために、読書感想文の書き方を紹介します。

【1】本を選ぶ・読む

読書感想文を書くためには、まず本を読まないといけません。課題図書として本が指定されている場合は迷わずに済みますが、指定がない場合は困ってしまうかもしれません。
子どもたちが自分で読みたい!と思える本を見つけることが大事です。いろいろな本に触れる機会として、何冊か読み、その中から感想文を書く本を選んでもいいでしょう。
小学校の読書感想文の場合は、絵本ナビなどで紹介されています。
絵本ナビ 小学生の読書感想文におすすめの本100冊セレクト!学年別でご紹介

また、青少年読書感想文全国コンクールでは、今年の課題図書が発表されています。コンクールに応募するか否かにかかわらず、参考にしてみるのも一つです。
青少年読書感想文全国コンクール 課題図書

【2】読書感想文を組み立てる

選んだ本を読んだら(読んだ本から感想文を書く本を選んだら)、感想文の組み立てを考えます。
文章の構成を考えたり、文章表現の推敲をしたりすることも「書くこと」の学習に含まれます。原稿用紙にいきなり書くのではなく、付箋などに要点をまとめ、順序を入れ替えたり、内容の取捨選択をしたりしながら組み立てていくことが大切です。
大まかな構成を紹介します。

【2-①】本を選んだ理由

はじめに、なぜその本を読むことに決めたのかを書いていきます。率直に「表紙の絵がいいと思ったから」とか「題名が面白かったから」などというきっかけでもよく、さらに「なぜ」を深掘りしていくこともできます。表紙の絵のどこを「いい」と思ったのか、題名のなにが「おもしろい」と思ったのか考え、言語化すると、文章も豊かになっていくでしょう。

文字数稼ぎのようなことではなく、自分の思いを言葉にしていくことが大事です。

【2-②】本のあらすじ

本のおおまかな内容も書いていきます。物語などであれば、時、場所、主要な登場人物などをまとめます。本に繰り返し出てくる言葉などの重要語句を使ってまとめるように意識すると、文章を要約することの練習にもなります。

【2-③】印象に残ったところ

本を読んで、印象に残った部分について書きます。おもしろいと思った部分や、悲しいと思った部分、好きだなと思った部分などについて説明し、自分が感じたことを書いていきます。①の本を選んだ理由でも書いた通り、自分がなぜそう思ったのか、そう感じたのかまで詳しく深掘りしていくと、次で説明する④につながります。

【2-④】自分とのつながり

おわりに、自分とのつながりについて書いていきます。③で述べた「自分が感じたこと」の奥にある自分の経験について書くこともできますし、登場人物の行動について「自分ならこうする」と別の案を出すこともできるでしょう。また、本の内容に影響されて自分の行動を変えようと思ったことがあるならその部分について書くこともできます。

この型は単なる一例で、この型だけにこだわる必要はありません。しかし、「読書感想文のつもりが長いあらすじになってしまう」とか「本の感想は一言『おもしろかった』で終わってしまう」というケースには対応できる

読書感想文はあくまでも手段!

読書の機会をもち、自分の感じたことを文章に表す練習ができる読書感想文、意図をもって取り組めば学びにつながるでしょう。しかし読書感想文はあくまでも「手段」として扱うべきです。読書感想文を課せられることが原因で、読書が嫌いになったり、文章を書くことが嫌いになったりするのは本末転倒です。もしそんなことになってしまうのなら、今回紹介した書き方などを参考にして課題をクリアして、本を読むことや文章を書くことのおもしろさに触れてほしいと思います。

おすすめの記事