学校の先生向け!時間があるときに読みたいおすすめ書籍:前編
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夏休みに入り、いつもより自分の時間が取りやすくなる先生も多いと思います。そんなときこそ、読書で情報のインプットにトライしてみてはいかがでしょうか。教育に特化したものから範囲を広げたものまでご紹介します。

授業は子どもが進める?「教師のいらない授業の作り方」

タイトル:教師のいらない授業の作り方
著者:若松俊介

子どもたちが成長するためには、深く学ぶためには、先生にどんな準備が必要でしょうか。わかりやすい教材?深く考えられるような発問?子どもたちの考えを整理する思考ツール?いろいろなアイディアが浮かぶかもしれません。本書では、子どもたちがお互いにつながり、自分達で話し合い、学びを深めていく「先生が目立たない授業」について述べています
考え方から実際の授業の進め方(4年生国語「ごんぎつね」など)、実践のためのQ&Aまで細かく書かれています。内容は充実していますが、さらさらと読み進められる1冊です。

教師のいらない授業の作り方

教師になりたての先生へ「駆け出し教師のための鬼速成長メソッド」

タイトル:駆け出し教師のための鬼速成長メソッド
著者:熱海康太

SNSなどでもたくさん情報を発信している熱海先生による、若手のための1冊。本書について序章で「あらゆる場面で転用可能な汎用的なメソッドを紹介した実用の書」であると書かれています。その説明の通り、教員として働いていれば気になること、子どもたちから尋ねられて言葉に詰まってしまうことなどを出発点に、自分の考え方や行動をどのように変えていくべきかが書かれています。教師以外にも役に立つことが多い上に、項目ごとに読みやすくまとまっています。

駆け出し教師のための鬼速成長メソッド

教えること自体を捉え直す「教えることの復権」

タイトル:教えることの復権
著者:大村はま/苅谷剛彦・夏子

国語教育で言わずと知れた大村はま先生と、その教え子である苅谷夏子さん、苅谷夏子さんの夫で社会学者の苅谷剛彦さんの3名の著作です。大村はま先生の作品としては「教えるということ」なども有名ですが、本書は教え子である苅谷夏子さんとの対談があります。「教えられた側」が先生と共に語るケースはあまり例がなく、「教えること」を捉え直すための本であると言えます。

教えることの復権

学級経営のコツは、仕掛けて待つ!「子どもが変わる接し方」

タイトル:子どもが変わる接し方
著者:田中博史


算数教育を専門にされている田中博史先生の学級経営についての著書です。学級づくりのためのたくさんの「しかけ」を解説しています。内容はとても読みやすく、どんどん読み進められます。夏休みあけ2学期の初め3日間に実践したくなることが見つかります。長いキャリアを積んできた田中先生だからこその言葉の重みもあり、教員としてがんばろうという気持ちをかき立てられます。

子どもが変わる接し方

こども基本法制定に向けて読みたい「子どもの人権をまもるために」

タイトル:子どもの人権をまもるために
編集:木村草太


憲法学者の木村草太さんをはじめ、さまざまな分野で子どもと関わる方が、子どもの人権を取り巻く問題について書いた「論考集」です。専門性が少し高くなり、読み応えがあります。虐待、貧困、保育不足など子どもたちはさまざまな人権侵害を受けています。現状に対して大人ができることがなんなのか考えさせられる1冊です。

子どもの人権をまもるために

インプットは夏休みに!忙しい先生も読書にぜひ時間を

「良き書物を読むことは、過去の最も優れた人たちと会話をかわすようなものである。」というデカルトの言葉があります。自分達が経験できないこと、時間がかかってできないことも、読書を通して学ぶことができます。自分の時間ができるときこそ、インプットに時間をとってみてはいかがでしょうか。次回は後編をお届けします!

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