学校と地域が連携したキャリア教育の先行事例3選
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キャリア教育の重要性が叫ばれていますが、学校では、特定の教科だけではなく包括的に取り組むことが求められます。教科書があるわけでもないので、いったいどんな取り組みが有効なのか、試行錯誤している先生方も多いかもしれません。そんなときに参考になるキャリア教育の先行事例をご紹介します。

キャリア教育の先行事例

キャリア教育の事例の中でも、地域や社会と連携した事例は、学校にも地域にも良い影響が出ているケースが多いようです。

地元でのキャリアに向き合う『新川創生プロジェクト』

富山県魚津市の新川高等学校は、魚津市と富山大学と連携して地域課題解決型キャリア教育「新川創生プロジェクト」を実施しています。魚津市は、地域の人口流出を課題としており、この新川高校との連携により、地域の良さや課題を理解して地域に残り、地域を支える若者の育成に取り組んでいます。また、このプロジェクトの教育的効果については法政大学が研究しており、「キャリア教育と学力の関連性分析」で、高校で行われているキャリア教育は、生徒の学力向上に一定の関連性があることと、とりわけ対自己基礎力の上昇と学力の向上に強い関連性がみられること、が結論づけられているということです。(*下記取組概要参照)

生徒たちにとっては、自己肯定感や学習意欲の向上につながっている面もあるということで、キャリア教育の取り組みを実施していくことの重要性が感じられます。実際、社会と高校生の接点が生まれることで、自分の進路を考えるための新しい視点を身に着けることもできているようです。

参考
新川創生プロジェクト
取組概要(新川創生プロジェクト「地域に残り、地域を支える若者の育成」

大人はキャリア教育の先生!『よのなか教室』

宮崎県延岡市では、商工会議所と市が協働して「延岡市キャリア教育支援センター」を設置しています。「延岡の大人はみな子供たちの先生」というキャッチフレーズのもと、「よのなか教室」という授業を行っています。市の小中学生に対して、働く喜びと苦労を伝える活動を行っており、登壇者は延岡の大人=「よのなか先生」です。

地域で働く人材を育成するためには、就職の時期が近くなった高校生だけではなく、小中学生から地域で働き暮らす魅力というものを伝えていくことが重要という課題感をもっている経営者の方が多いということもあり、「よのなか教室」を開催できているとのこと。課題感を持った大人の行動が、子どもたちの夢や目標を見つけるきっかけにもなっているようです。

また、学校現場でのニーズをとらえ、コーディネーターの方がカリキュラム作りから議論し取り組んでいるそうで、ただの講話ではなくPBLに取り組むなど、さまざまな実践を行っています。

参考
延岡市キャリア教育支援センター
取組概要(延岡商工会議所及び延岡市)

動画でキャリア教育!『ジョブレンズ』

福岡県の一般社団法人ジョブレンズが提供するオンライン教材「ジョブレンズ」は、福岡の地域を支える職業を映像化したオンライン教材です。福岡市立の小中学校で導入されています。
映像には、実際に地元で目にする企業や、地域で働く人が出てくるため、自分の住んでいる地域に対して新しい見方を提供してくれます。今後は、映像だけではなく、実際に学校へ赴いて出前授業も行う予定だそうで、地域・企業・学校が協働しながらキャリア教育が進められています。
変電工事監督、文房具デザイナー、マンション販売の営業など、具体的な職種が紹介されているため、子どもたちが知らない仕事を知るきっかけになるかもしれません。

参考
一般社団法人ジョブレンズ実行委員会
ジョブレンズプレスリリース

地域と連携したキャリア教育を!

学校・地域・社会が連携したキャリア教育の先行事例をご紹介しました。社会に開かれた教育課程を実現していくためにも、キャリア教育をきっかけに地域と連携した学習を取り入れていきたいところです。

 

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