埼玉県のキャリア・パスポート「私の志ノート」の事例紹介
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キャリア・パスポートとは、児童(生徒)が小学校から高等学校までの12年間を通じて、学習状況やキャリア形成に対して自ら目標を設定し、それについて自分の成長を確認したり、客観的な評価ができるようにするポートフォリオです。埼玉県では、小学校から高等学校までのキャリア・パスポートとして、独自に「私(わたし)の志ノート」を作成しています。ここでは、ノートの設定項目や書き込み事例をご紹介します。

埼玉県版キャリア・パスポート「私の志ノート」(小学生版)

キャリア・パスポートの埼玉版「私の志ノート」では、年度のはじめや学期ごとに自分自身を見つめ直したり、目標を設定します。目標設定への問いかけなどの表現方法は各学年で異なります。問いかけの事例としては、小学校1年生の時は「しょうがっこうでがんばりたいことはなんですか」「あなたのゆめはなんですか」などが挙げられます。
出典:埼玉県「キャリア・パスポート〔わたし(私)の志ノート〕改訂版 小学校 第1学年

1年生時は簡単な問いかけですが、最高学年である6年生になると勉強面や生活面で「最高学年としてどんな自分になりたいですか」といった問いかけに発展します。
出典:埼玉県「キャリア・パスポート〔わたし(私)の志ノート〕改訂版 小学校 第6学年

年間を通じて運動会や社会科見学、林間学校などでの取り組みを継続的に記録し、節目や年度の終わりに「なりたい自分にどれだけ近づけたか」をポイントにして、子ども自身が評価します。教師や保護者がアドバイスを記入することもあります。学年末にはノートから数枚を選んで次の学年につなげます。

出典:埼玉県「キャリア・パスポート〔わたし(私)の志ノート〕改訂版 小学校 高学年評価

埼玉県版キャリア・パスポート「私の志ノート」(中学生版)

中学生の志ノートの枠組みも基本的に小学生と同じです。ただ「〇年生としてどんな自分になりたいですか」といった目標設定に対し、学習・生活面で「そのために身に付けたいこと」を記入する欄が増えます。目標達成のための具体的手段も自分で考えさせるようになるのです。
出典:埼玉県「キャリア・パスポート〔わたし(私)の志ノート〕改訂版 中学校 第1学年

卒業時には高校への引き継ぎシート「キャリア・パスポート(高等学校提出用)~小・中学校9年間のまとめ~」を作成します。ここでは小学校6年間と中学校3年間を振り返るとともに、高校生活へのビジョンを記入します。その後、ノートは進学先に提出することになっています。
出典:埼玉県「キャリア・パスポート〔わたし(私)の志ノート〕改訂版 中学校 9年間のまとめ

埼玉県版キャリア・パスポート「私の志ノート」(高校生版)

高校に進学すると「特に心がけて取り組もう(自分なりに努力してみよう)」といったことを授業・学校行事・部活動などの項目ごとに設定し、学期末には自己評価をするサイクルを繰り返していくことになります。
出典:埼玉県「キャリア・パスポート〔わたし(私)の志ノート〕改訂版 高等学校 02-1キャリア・パスポート≪学期の振り返り≫

これ以外にも、インターンシップや学校行事、総合的な探究などの分野ごとに目標設定を考え、自己評価を下すシートを作成します。卒業時には高校3年間の振り返りと今度のビジョンをまとめる作業を行います。
出典:埼玉県「キャリア・パスポート〔わたし(私)の志ノート〕改訂版 高等学校 03キャリア・パスポート≪インターンシップ≫

各学年に応じた目標設定と自己評価のスキルを身に付ける

キャリア形成に向けて、目標設定と自己評価を下すことは簡単ではありません。

特に小学校低学年に理解させるには少々難しいかもしれません。ノートの項目設定については各学年の能力に応じた表現が求められます。ノート作成においては「目標設定とその達成方法を考えて自己評価を下す、そして新たな目標設定をする」サイクルを繰り返すことが一つのゴールになります。

高校卒業時にこのゴールに到達することが長期的な目標ととらえ、それに向かって各学年で出来ることを確実に身に付けることが大事です。

教師も子どもと一緒に成長する姿勢が求められる

キャリア・パスポートは、子どもの学習状況やキャリア形成の一助となるものです。同じ学年でも子どもの個性や成長度合いは様々ですから、個人に合わせた指導が必要とされます。教師にとっては骨の折れる仕事になりますが、子どもの成長を客観的に記録できる良い機会とも言えます。子どもに「書かせる」のではなく、一緒にノートを作ることで教師自らも成長しようとする姿勢が求められるでしょう。

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