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2023年4月に採用予定の教員採用試験の結果が続々と発表されています。現在も追加の試験等が行われている自治体もありますが、ほとんどの自治体で結果等が発表されました。年度当初から教員不足が話題になっていますが、採用試験の状況はどうだったのでしょうか。今回は関東地方のデータをご紹介します。
志願者(A):教員採用試験の受験を申し込んだ人の数
採用予定(B):自治体が公開している採用予定者の数
倍率(A/B):志願者数を採用予予定者数で割った倍率
受験者(C):一次試験を受験した人数(志願者のうちの一次試験免除者を含む)
最終合格者(D):最終的に合格者として発表された人数(多くの自治体では二次試験の合格者、一部自治体では三次試験の合格者)
受験倍率(C/D):受験者数を最終合格者数で割った倍率
参考(A/D):志願者数を最終合格者数で割った倍率。受験者が公表されていない自治体も多いための参考
各自治体の合計値には、特別選考枠の志願者・受験者・合格者等が含まれている場合があります。
目次
関東地方の教員採用試験の結果
茨城県の教員採用試験の状況
茨城県では、小学校で441名、中学校で303名、高校で132名が合格しました。
受験者数は公開されていませんが、参考の倍率は全体で3.8倍となっています。
採用予定者数918名に対し、989名が合格しています。
出典:令和5年度採用茨城県公立学校教員選考試験第2次試験及び実習助手選考試験の合格者発表について
栃木県の教員採用試験の状況
栃木県では、小学校で740名、中学校で581名、高校で431名が受験し、それぞれ231名、105名、53名が合格しました。
受験倍率は全体で4.4倍となりました。特に高校は倍率が高く、8.1倍となっています。
採用予定者数390名に対し、430名が合格しています。
出典:令和5(2023)年度栃木県公立学校新規採用教員選考試験の合格状況
群馬県の教員採用試験の状況
群馬県では、小学校で125名、中学校で206名、高校で55名が合格しました。
受験者数は公開されていませんが、参考の倍率は全体で3.8倍となっています。
採用予定者数460名に対し、462名が合格しています。
出典:令和5年度採用群馬県公立学校教員第2次選考合格者
埼玉県の教員採用試験の状況
埼玉県では、埼玉県の教員採用試験と、さいたま市の教員採用試験が別々に実施されています。
埼玉県では、小学校で850名、中学校で481名、高校で351名が合格しました。
受験者数は公開されていませんが、参考の倍率は全体で3.0倍となっています。
採用予定者数1927名に対し、1955名が合格しています。
出典:令和5年度埼玉県公立学校教員採用選考試験第2次試験合格発表(10月13日)
さいたま市では、小学校で409名、中学・高校の区分で494名が受験し、それぞれ168名、125名が合格しました。
受験倍率は全体で3.0倍となりました。
採用予定者数292名に対し、366名が合格しています。中学・高校の区分では、採用予定者数80名に対し、合格者が125名となっており、人数は多めになっています。
出典:令和5年度採用さいたま市立学校教員採用選考試験結果について
千葉県・千葉市の教員採用試験の状況
千葉県と千葉市では教員採用試験が合同で行われています。この試験では、小学校で914名、中学校で685名、高校で32名が合格しました。
受験者数は公開されていませんが、参考の倍率は全体で2.9倍となっています。
採用予定者数1500名に対し、1818名が合格しています。特に小学校では、採用予定の620名を大きく上回る914名が合格しています。
出典:令和5年度(4年度実施)千葉県・千葉市公立学校教員採用候補者選考第2次選考合格発表について
東京都の教員採用試験の状況
東京都の教員採用試験は、区分が他の自治体とかなり異なります。音楽や美術(図画工作)は小中学校での募集、家庭科は小中学校・高校の共通の枠での募集など、教科ごとに採用枠が異なる教科もあります。
大きな区分では、小学校で2555名、中学校・高校共通の枠で3681名が受験し、それぞれ1767名、1285名が合格しました。
受験倍率は全体で2.5倍となりました。しかし、小学校だけの枠を見ると、受験倍率は1.4倍となっており、低い水準となっています。
採用予定者数2870名に対し、3841名が合格しています。
※合計者数には、特別採用等の数を含んでいます。
出典:令和4年度東京都公立学校教員採用候補者選考(5年度採用)結果
神奈川県の教員採用試験の状況
神奈川県では、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市の教員採用試験が行われています。
神奈川県の教員採用試験では、小学校で994名、中学校で1007名、高校で1690名が受験し、それぞれ475名、257名、401名が合格しました。
受験倍率は全体で3.3倍となりました。採用予定者数1285名に対し、1315名が合格しています。
出典:令和4年度実施 神奈川県公立学校教員採用候補者選考試験 第2次試験 実施状況詳細
横浜市では、小学校で1249名、中学校・高校で1041名が受験し、それぞれ621名、265名が合格しました。
受験倍率は全体で2.7倍となりました。
採用予定者数805名に対し、974名が合格しています。
出典:令和4年度実施 横浜市公立学校教員採用候補者選考試験の最終結果発表について
川崎市では、小学校で500名、中学校・高校で416名が受験し、それぞれ285名、109名が合格しました。
受験倍率は全体で2.4倍となりました。小学校の区分では、1.8倍となり、2倍を下回りました。
採用予定者数348名に対し、436名が合格しています。
出典:令和4年度実施 川崎市立学校教員採用候補者選考試験 実施結果
相模原市では、小学校で176名、中学校で243名が受験し、それぞれ101名、43名が合格しました。
受験倍率は全体で3.1倍となりました。区分ごとに見ると、中学校は5.7倍と高い数字になりましたが、小学校は1.7倍と低めです。
採用予定者数156名に対し、151名が合格しています。中学校の区分では、倍率が高いにも関わらず、合格者数が採用予定者数の50名を切っている状況です。
出典:令和4年度実施 相模原市立学校教員採用候補者選考試験 採用候補者名簿A登載者発表
関東の教員採用試験の結果、倍率は3倍前後
今回は関東の教員採用試験の結果をお知らせしました。全体の倍率を見ると2〜3倍程度のところが多いようですが、区分ごとに見ると、中学・高校は比較的高い水準である一方、小学校の区分では2倍を切るところも複数ありました。採用予定者数に合格者数が満たないケースもあり、来年度も引き続き教員不足が問題となりそうです。